「ピアノでリズムがうまく取れない」
「一音ずつは弾けるのに、続けて弾くとテンポがズレてしまう」
「3連符になると急に難しくなる」
音楽や楽器を習っている子どもを見ていると、こうした様子から「うちの子はリズム感がないのかな?」と心配になる保護者の方もいると思います。
リズスポでも、スポーツをしている子だけでなく、ピアノやダンスなどを習っていて「リズムをもっと取れるようになりたい」という子を見ることがあります。
今回紹介するのも、ピアノで3連符のリズムを取ることが苦手だった子のケースです。
僕がその子を見ていて気になったのは、音楽の知識やピアノの技術そのものではありませんでした。
一つの音ができたあとに、次へ進むまでの「間」があったんです。
この記事では、実際のレッスンで感じたことをもとに、音楽や楽器でリズムが取りにくい子どもを「身体の使い方」という視点から考えてみます。
子どもが音楽や楽器でリズムを取れないのは「リズム感がない」から?
ピアノや楽器でテンポがズレていると、つい「リズム感がない」と考えてしまいます。
もちろん、実際の演奏についてはピアノや楽器の先生から教わることが大切です。
ただ、リズスポで子どもたちの動きを見ていると、別のところにヒントが見えることがあります。
それが、
「音を聞いたあと、身体がどう動いているか」
という部分です。
音を聞く。
頭の中で考える。
身体を動かす。
「できた」と確認する。
そして次の音を聞いて、また考えてから動く。
このように一つひとつ区切ってしまうと、本人は頑張って正確にやろうとしていても、リズムの流れは途中で止まりやすくなります。
音楽は、一音で終わるものではありません。
次の音、その次の音へと続いていきます。
だからこそ、音を正しく取ろうとすることだけでなく、流れているテンポの中で次へ移っていく感覚も大切だと僕は考えています。

ピアノの3連符が苦手だった子
実際にリズスポで見ていた子の中に、ピアノを習っていて3連符を苦手としている子がいました。
3連符とは、一つの拍を3つに分けて感じるリズムです。
その子を見ていると、まったくリズムが分からないという印象ではありませんでした。
一つの動きはできるんです。
ところが、そのあとに次の動きへ移ろうとすると少し遅れる。
一度「できた」と確認してから、次へ進もうとしているように見えました。
そのため、連続したテンポになると流れが途切れやすくなっていました。
一音はできるのに、なぜ次の音が遅れる?
「できた」を確認してから次へ進んでいた
この子を見ていて感じた特徴の一つが、頭で考えてから身体を動かすことでした。
「これで合っているかな?」
と考えてから動く。
一つできたら、そこで一度区切る。
そして、次を考えてからまた動く。
一つひとつ丁寧に取り組むこと自体が悪いわけではありません。
ただ、連続したリズムでは、その確認の時間が「間」になってしまうことがあります。
身構えるとリズムの流れが止まりやすい
もう一つ気になったのが、次の動きをしようとするときに身構えてしまうことでした。
「次はこれをやらないと」
と意識するほど、身体が一度止まってしまう。
リズムに乗り続けるというより、
「聞く → 考える → 動く」
を毎回繰り返している状態です。
そこで僕が大切にしたのは、一つずつ完璧に合わせることよりも、まずは一定のテンポを止めないことでした。
リズスポで行った「止まらない」リズムトレーニング
この子には、止まらずに連続したテンポを刻むトレーニングを行いました。
一回できたら終わりではありません。
次。
その次。
さらにその次。
一定のリズムの中で、身体を動かし続けます。
ここで僕が伝えていたのが、
「川の流れのように、とにかく止まらない」
というイメージです。
川の水は、一つの場所まで流れたら「ここまでできた」と確認して止まるわけではありません。
そのまま次へ、次へと流れていきます。
リズムも同じように、一つの音だけを切り取るのではなく、流れの中で感じることが大切です。
まずは身体で一定のテンポを作る。
そして、そのテンポを途中で止めずに続ける。
リズスポでは、こうした身体を使ったリズムトレーニングを行いました。

ピアノでも連続して弾ける場面が増えていった
身体を使ったリズムトレーニングを続ける中で、少しずつ変化が見られるようになりました。
次の一歩へ移るときの動きが以前よりスムーズになり、音の取り方にも変化が出てきました。
そしてピアノでも、以前より連続して弾ける場面が増えていきました。
特に印象に残っているのは、最初の音をしっかり出して、そのまま次へつなげられるようになっていったことです。
以前は、
「一つできる → 止まる → 次へ行く」
という感じだったものが、
「最初の音を出す → 次へ → その次へ」
と流れがつながりやすくなっていきました。
もちろん、これはピアノそのものをリズスポで教えた結果ではありません。
ピアノの技術は、ピアノのレッスンで身につけていくものです。
リズスポで取り組んだのは、その土台にある「一定のテンポを感じる」「止まらず身体を動かす」「次へつなげる」といった部分です。
ピアノの練習と身体を使ったリズムトレーニング。
それぞれの役割を組み合わせることで、本人にとってリズムを捉え直すきっかけになったのだと思います。
音楽のリズム感と身体を動かすことは切り離さなくてもいい
「リズム感」と聞くと、耳で音を聞き分ける能力をイメージする方も多いと思います。
でも、リズスポで大切にしているのは、
聞いたリズムを身体の動きにつなげること
です。
音を聞くだけではなく、足で刻んでみる。
身体を揺らしてみる。
ステップしてみる。
一定のテンポの中で動き続けてみる。
そうすると、「頭では分かっているけれど身体が遅れる」といった部分にも気づきやすくなります。
ピアノ、歌、ダンス、その他の楽器でも、リズムは時間の流れの中で続いていきます。
だからこそ、音楽の練習だけを見るのではなく、身体がその流れについていけているかを見ることも一つの方法です。
家庭で見てほしい3つのポイント
もしお子さんがピアノや歌、楽器でリズムを取りにくそうにしていたら、「できた・できない」だけではなく、次の3つも見てみてください。
1.一つできるたびに止まっていないか
一音できたあと、次へ進む前に毎回止まっていないでしょうか。
正確にやろうとする子ほど、一つひとつ確認しながら進めることがあります。
ただ、リズムはその間にも流れています。
「正しくできたか」だけでなく、「止まらず続けられているか」という見方もしてみてください。
2.次の音の前に身構えていないか
難しい部分が近づくと、肩や身体に力が入ったり、動きが止まったりすることがあります。
本人は次の音に備えているつもりでも、そこでテンポから遅れてしまうこともあります。
難しいところほど、「次だ!」と身構えすぎていないか見てあげてください。
3.身体で一定のテンポを刻めるか
楽器を持っていない状態でも、音楽に合わせて手拍子をしたり、足で一定のテンポを刻んだりできるか見てみるのも一つです。
大切なのは、難しい動きをすることではありません。
まずは簡単な動きで、一定のテンポを止めずに続けてみる。
「川の流れのように止まらない」という感覚を、遊びの中で試してみてもいいと思います。
ピアノや楽器の練習とリズムトレーニングは役割が違う
ここは、とても大切な部分です。
リズスポはピアノ教室でも、音楽教室でもありません。
ピアノの指使いや楽譜の読み方、歌い方、楽器の演奏技術などは、それぞれの専門の先生から習うものです。
リズスポが行っているのは、
- リズムを身体で感じる
- 一定のテンポで動く
- 身体を止めず次の動きへつなげる
- 手足を連動させる
- 必要以上に身構えず動く
といった身体の使い方のトレーニングです。
そのため、
音楽・楽器の練習 + 身体を使ったリズムトレーニング
という考え方になります。
これはスポーツでも同じです。
競技そのものの技術を学ぶことと、その動きを支えるリズムや身体操作を練習することには、それぞれ役割があります。
どちらか一方だけで考えるのではなく、お子さんが「どこでつまずいているのか」を見てあげることが大切です。
まとめ|リズム感は「音を取る」だけでなく「次へつなげる」ことも大切
ピアノで3連符が苦手だった子を見ていて僕が感じたのは、「リズムが分からない」というより、次へ進む前に一度止まってしまうことでした。
一つできた。
確認する。
次を考える。
そして動く。
この小さな「間」が重なることで、連続したテンポから遅れてしまうことがあります。
そこで行ったのが、一定のテンポの中で身体を止めずに動かし続けるトレーニングでした。
合言葉は、
「川の流れのように、とにかく止まらない」
です。
その後、身体の動きだけでなく、実際のピアノでも連続して弾ける場面が増え、最初の音から次の音へスムーズにつながる様子が見られるようになりました。
もしお子さんがピアノや歌、楽器でリズムを取りにくそうにしているなら、「音楽が苦手」「リズム感がない」と決めてしまう前に、身体がリズムの流れに乗れているかという視点でも見てみてください。
リズスポでは、ピアノや楽器そのものを教えるのではなく、音を聞き、身体でリズムを感じ、動きにつなげていくトレーニングを行っています。
「頭では分かっているのに身体がついてこない」
「音に合わせようとすると身構えてしまう」
「一つひとつはできるけれど、連続するとズレてしまう」
そんな様子が気になっている方は、一度リズスポの体験レッスンで、身体を使ってリズムを感じる経験をしてみてください。
